中小企業診断士の実務補習の内容とは?日程調整や準備するものは?

実務補習

みなさん、こんにちは。

中小企業診断士のシゲです。

中小企業診断士の口述試験の合格の後、多くの診断士のタマゴたちに立ちはだかる最初の壁が実務従事15ポイントです。ほとんどの人はコンサルティング経験がなく、知り合いに経営者がいないため、自分で実務ポイントを貯めることは少なく、日本中小企業診断士協会連合会(以下、日診連)が主催する実務補習に参加してポイントを貯めていきます。

今回は、その実務補習の内容や日程、準備するものなど受講する前に知っておきたいポイントを私の経験も踏まえてご紹介します。

目次

中小企業診断士の実務補習とは?

中小企業診断士の実務補習は、第2次試験合格後、3年以内に実務補習を15日以上受けるか、診断実務に15日以上従事し、申請することで中小企業診断士として登録されます。

実務補習は、5~6名を1チームとなり、実際の中小企業に訪問しヒアリングを行い、課題と解決策の提案書をまとめて報告するというものです。

この経験が今後、中小企業診断士として活動するにあたっての基礎になりますので、しっかりと勉強しましょう。

実務補習の目的

実務補習の目的は、実際に中小企業に訪問し、経営者にヒアリングを行い、対象企業が抱えている課題とそれに対応する改善策を提案する経験を積む目的で行われます。

実務補習の日程

実務補習の日程は、15日間コース8日間コースの2つのコースがあります。

私のときは5日間コースがあったので、私は5日間コースを1回と実務従事10日間行い15ポイントを獲得しました。

15日間コースと8日間コースのどちらが良いのか?という疑問は多くの診断士予備生たちを悩ませる問題です。実際に15日間コースを受講した人にも話を聞きましたが、15日間コースのメリットは何と言っても最短で診断士登録が出来る点です。また、チームメンバーが固定なので、回数を追うごとに一体感が生まれ、3回目の提案時にはかなり品質の高い報告書が出来上がるところです。そして、15日間のハードコースを共に歩んだ仲間たちとの絆は一生ものの財産になるところです。

ただし、万が一にもそりが合わないメンバーがいた場合は、チームは崩壊しあまり良い経験はできないかもしれません。そして、15日間も勤め先が許してくれるのかという問題も大きいです。ヒアリング時と報告会の日は必ず平日なので、有給休暇等を利用しなくてはなりません。会社が研修だと認めてくれるのであれば堂々と参加できるのですが、会社に秘密にして診断士を取得している場合は、短期間に続けて有給休暇を取得すると、転職リスクを疑われる恐れもあるので、注意しておきましょう。

8日間コースに関しては、私は受講していないのですが、5日間コースや15日間コースに比べると緩やかに打ち合わせや資料作成が出来るのではないかと思います。

すぐに診断士登録を行い活動したい、という人でなければ、まずは8日間コースで様子を見るのが良いのではないでしょうか。

 実務補習で準備するものとは?

実務補習で準備するものは、担当指導員によります。

実務補習の1週間前に担当指導員から対象企業の情報が渡されますので、ガッツリと調べてきてください、という指導員もいれば、何もしなくてもいいですよ、とのほほんと構えている指導員もいます。

ただ、個人的には、図書館で「業種別審査辞典」を使って、対象企業の業種の特徴や川上・川下の業種等について調べておく、また、PEST分析等の外部分析はしておくと初日がとても楽になります。

私の場合は、指導員の先生からは対象企業のホームページくらいは見ておいてくださいね、と言われただけでしたが、PEST分析とSWOT分析、各項目別のヒアリング内容を5~6個ずつ考えて臨みました。おかげさまで自信をもって発言することが出来て、優秀なチームに後れを取らずに貢献できたのではないかと思っています。

中小企業診断士の実務補習の内容とは?

では、中小企業診断士の実務補習の内容について、初日から順を追ってご紹介します。

初日:役割分担(経営戦略リーダー、マーケティング、財務会計をやるべき)

まず、初日にやることは、自己紹介です。メンバーが補習場所に集まると自然に挨拶して名刺交換が始まりますし、すぐに打ち解けられると思います。

名刺は務めている会社のものでOKです。気が早い人は診断士用の名刺を持ってきていますが、「中小企業診断士(登録予定)」にしなくてはならないので注意してください。

自己紹介が終わった後に本日のメインイベントの役割分担があります。この役割分担を揉めずにスムーズに決められるかどうかが初日の鍵です。

5~6人チームなので、こういった役割分担になります。(経営戦略(リーダー)、財務担当、マーケティング担当、人事担当、IT担当+特別枠)

私の場合は6人チームだったので、特別枠は事業承継担当でした。事業承継は今後ニーズが高いので、やっておいてもいいと思います。

私は経理出身ということもあり、最初は得意なところからやろうと考え、財務会計を担当しました。私のチームはみんなそれぞれやりたいところが違っていたので、比較的スムーズに決まりました。実務補習を経験してみて、是非やった方がいい担当は、経営戦略と財務担当、マーケティング担当です。

経営戦略はリーダーポジションであり、みんなをまとめる大事な役割です。これは一度はやってみると良いと思います。

そして、財務も経理出身や税理士さん等の会計に強い人でなければ苦手意識を持っている人も多く、あまりやりたがらないポジションです。だからこそやりがいもあり、補習で経験しておくと今後の診断士活動がラクになるのではないかと思います。

また、マーケティング担当も良いです。中小企業の約8割は販売不振で倒産しており、マーケティングへのニーズはかなり高いです。これを経験しておくと、今後の役に立ちますし、何より楽しいです。

 役割分担が決まれば、ヒアリングで何を聞くかを考えていきます。5日間コースであれば、初日の午前中に役割分担とヒアリング項目の確認をして、午後から移動して企業ヒアリングだったので、かなり忙しかったですが、8日間コースになって企業ヒアリングは2日目になったようです。このヒアリング項目を何にするかで今後の方向性が決まるのでとても重要です。初日だからと遠慮せずに意見はどんどんと言ってください。自分がこのチームのエースだ!くらいの感じでやらないと空気になってしまいます。

2日目:企業ヒアリングが何よりも重要

2日目の企業ヒアリングが実務補習の最重要ポイントです。6人でヒアリングするわけなので、1人当たりの持ち時間は10分程度。ただ、質問項目を順番に聞いていくという詰問になれば雰囲気は最悪になるので、あくまでも会話を楽しみながら進めていくことが重要です。これがめちゃくちゃ難しい。質問者とメモを取る人を別にする等、工夫が必要です。

3日目以降~:経営課題の検討と改善提案、診断報告書の作成をしよう

3日目以降は資料作成に取り掛かります。ヒアリングで確認したところを中心に過去3期分の財務状況等も見つつ、経営課題を取り上げていきます。ここはリーダーが中心となって、ストーリーを組み立てることに注力してください。各自でバラバラに対策を考えるのではなく、まずは全体的なストーリーがあって、その肉付けを項目ごとに課題と対策を作っていきます。全体のストーリーと見出しを考えておけば、あとは各自自宅に戻ってからでも作業ができます。その後、微調整やすり合わせを行い、報告日前日には、キンコーズで報告用の資料を印刷します。コピー代は日診連から出ますので、領収書を忘れずにもらってください。

最終日:対象企業への診断結果報告会、報告書提出

最終日は一回通しでリハーサルを行ってから、企業訪問を行い、診断結果報告会になります。これは口述試験どころでないくらい緊張します。経営者によっては、険しい顔で聞いていたり、都度質問をしてきたりとリハーサル通りにはいかないです。私の場合も、報告中に3回ほど「もうちょっと詳しく教えて?」などと質問されたので、かなり精神的にきつかったです。すべての報告が終わった後に、経営者の方から講評があり、良い提案であればすぐにやってくれることもあるそうです。私のチームも「いくつか取り入れてみるわ」とおっしゃっていただき、とても救われた気がしました。

報告会の後は、チーム内での打ち上げ

報告会の後は、近くのカフェで反省会を軽く行い、そのまま打ち上げへと突入です。

この打ち上げが今まで経験してきたどの飲み会よりも楽しいです。チームで何か大きな仕事を成し遂げた一体感が心地よく、お酒もかなり進みます。今でもこのメンバーとは年に2回ほど飲み会をする中になりましたので、実務補習は一度経験すべきイベントだと強く言えます。

8日間コースの場合は、これを2回。15日間コースも対象企業を変えて2社分を行います。

終了後、2週間くらいで日診連から「実務補習ポイント交付」の紙が届きますので、確認しましょう。

中小企業診断士の実務補習で注意すべきポイントとは?

実務補習の流れについては、上記の通りですが、実務補習を受ける際に注意すべきポイントがいくつかありますので、お伝えします。

経営者ヒアリングで上から目線にならないこと

まずは、経営者ヒアリングで上から目線で話をしてしまうことです。これは50代以降の大企業で管理職をしている人に多い傾向で、経営者が30代や40代の若い世代であった場合は特に顕著になります。「おれが教えてやろう」といった態度で偉そうに話をする人がたまにいますので、そうならないように細心の注意を払ってください。

診断士と経営者は対等な立場です。相手をリスペクトして丁寧なヒアリングを心がけましょう。実際、診断士を取得した後も、この癖は直らず、日診連にはたまに「派遣された診断士が偉そうに話をしてきて気分が悪かった」とクレームが入ることもあり、注意喚起されていますので、常に言動に責任を持ち、注意して発言するようにしましょう。

必要に応じて実務補習日以外での打ち合わせをすることもある

8日間コースは緩やかな日程になっているので、あまりないと思いますが、打ち合わせが足りなければ、実務補習日以外でもZOOMやTeamsを使ってオンライン会議することもあります。リアルでファミレスに集まり、夜遅くまで会議をしたという話もたまに聞くので、そういうケースもあると思っておいてください。

指導員の先生はみんなクセが強い

指導員の先生は最寄りの中小企業診断士協会のベテラン診断士の先生です。対象企業もそのベテラン診断士の先生の顧問先であることが多いです。中小企業診断士は他業種出身者の集まりですからとても変わった人が多いです。みんな一癖も二癖もある先生ばかりです。

全日程参加しないとポイントはもらえない

実務補習は、2月の寒い時期や8月の真夏の開催と体調を崩しやすい時期に行われます。

1日でも休むと要件を満たさないため、もう一度、別の実務補習を受けなくてはならなくなります。体調を崩さないように実務補習中は徹底して健康管理をするようにしましょう。

まとめ

今回は、中小企業診断士の実務補習について、私の経験も踏まえてご紹介しました。 多くの中小企業診断士が通る道ですし、一緒に活動したメンバーは一生ものの仲間になります。是非、実務補習に参加して、十分にその価値を体験しましょう。

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